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知っておきたい女性の病気

寒気は体の中から。体のしんから温めましょう

かくれ冷え症

体力の低下や胃弱体質筋肉不足から衣食住環境など原因はさまざま

冷え性は血液の循環が悪く、手足や指先など体の特定の部分が特に冷たく感じる症状を指します。しかし体の外側ではなく内側、つまり内臓が冷える状態の「かくれ冷え性」には要注意です。

内臓が冷える理由には体力の低下や胃弱体質、エネルギーを作る筋肉不足など体質的なものから、現代の衣食住環境が原因のものまで、あらゆる要素が含まれています。

「かくれ冷え性」になると基礎代謝や免疫力が低下し、自律神経が乱れるため、さまざまな病気を引き起こします。胃腸疾患や泌尿器疾患、感染症、さらに女性の場合は婦人科系疾患の原因に挙げられるケースも。

平熱が36度以下の低体温体質の人は「かくれ冷え性」になりやすい傾向にあります。平熱が低いと基礎代謝量も低く、血行が悪くなるからです。

しかし、内臓の冷えは本人でもわかりにくいため、気付いたら悪化していた、ということも。脇の下よりもおなかや太もものほうが冷たく感じたら「かくれ冷え性」を疑いましょう。おなかや太ももは熱の生産量が多い箇所であるため、そこが冷えている場合、体内の深部温度が低い可能性があります。また顔が火照りやすい人は体内の熱が内臓にとどまらず、顔や手足などに移動するため、「かくれ冷え性」タイプといえるでしょう。

偏った食事やダイエットは自律神経に悪影響適した漢方療法も試して

冷え性はなぜ女性に多いの?

冷え性は文字通り”体質“であり、病気ではありません。衣食住の環境を整えて、冷え性を予防する生活習慣に切り替えれば、8割の症状は回復するといわれます。

なかでも食生活では、体を温める食品を意識的に摂取しましょう。「温熱性食品」(下記参照)は、特に体を温める効果が期待できますので、毎日の食事に取り入れるようにするといいでしょう。さらに脂肪分が少ない肉類で筋肉を付け、エネルギー量を増やすのもおすすめ。

一方、偏った食事や過度のダイエットは血液の循環を悪くさせ、ひいては自律神経に悪影響を及ぼし、冷えの原因になることも。

冷えとそれに関連した症状に対して、漢方療法も行われています。

冷える部位や冷えの度合い、体質など、各症状に合った漢方薬が幅広くそろっています。冷えは婦人科系の病気を併発していることも多いので、婦人科医や産婦人科医、漢方専門の薬局で相談し、個々の症状に合った漢方薬を処方してもらうことをおすすめします。