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知っておきたい女性の病気

40歳以上の女性の7人に1人が悩んでいます

尿もれ

重い物を持ったりせきやくしゃみをしたとき尿がもれてしまうことが

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「重い荷物を持ったときに尿がもれた」「トイレに駆け込んだときに間に合わず尿をもらしてしまった」。尿が近い、夜のトイレが多いなど、そんな経験はありませんか。恥ずかしいからと独りで悩まなくても大丈夫。実は40歳以上の女性の7人に1人が排尿の症状で悩んでいます。排尿障害の中でも、特に女性に多くみられるのが「尿もれ」。自分の意志に反してトイレではない所で尿がもれてしまうことです。

ほぼ女性のみにみられるのが「腹圧性尿失禁」。①くしゃみやせきをしたとき、②重い物を持ったとき、③突然走り出したとき、④笑ったとき など、急におなかに圧力がかかったときに尿がもれてしまうタイプを指します。

妊娠・出産(多産の女性)、便秘、肥満、更年期、加齢、子宮摘出などによる骨盤底筋( 尿道や骨盤内の臓器を支える筋肉)の緩みなど、筋力が低下することにより、膀胱(ぼうこう)の中にたまった尿が、腹圧がかかった瞬間に出てしまうのです。一般的に40代後半以降にみられる症状ですが、まれに20〜30代から起こるケースもあります。

「腹圧性尿失禁」の治療には、骨盤底筋体操、薬物療法、手術療法の3種類があります。骨盤底筋体操とは、膣や肛門の筋肉を10秒ほど引き締め、緩めて数十秒リラックスする運動を繰り返し毎日継続します。薬物療法では、膀胱の緊張を緩めて尿道の締まりを改善します。

手術療法では、尿道の下に特殊なメッシュテープを通し、尿道を支え、腹圧がかかって尿がもれるのを防ぎます。

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急に尿意を感じたり、もれそうになる「尿意切迫感」や、トイレに行くまでに間に合わずもらしてしまう「切迫性尿失禁」などの症状で、最も多くみられるのが「過活動膀胱」(OAB)です。OABの症状がある人は『もらすかもしれない』という不安が非常に強いのが特徴です。肥満、便秘、水分摂取量が多い(1日2リットル以上)、または少ない、ストレス、運動不足が原因でなりやすく、女性だけでなく男性にもみられます。

治療は骨盤底筋体操や排尿日記を付ける行動療法や膀胱の過剰な収縮を防ぐ薬を用いる薬物療法で改善します。

まずは尿もれのタイプを確認現状の生活を改善するには早めに専門医を訪ねよう

排尿のトラブルに関する一般的な検査では、症状や過去の病気などを問診。そして、検尿により感染やがんの有無などを調べます。また、尿の残量や膀胱などの様子を超音波で診断します。

さらに詳しい検査として、膀胱内圧検査やX線検査(チェーン膀胱撮影)、1時間パッドテストなどがあります。

セルフケアで尿もれ防止今日から始める「骨盤底筋体操」

イメージまずは、自身の尿もれのタイプを確認しましょう。「腹圧性尿失禁」や「切迫性尿失禁」かどうか。そして、現状の生活にどのような影響を受けているか。日常生活の妨げになって気になる場合は、早めに専門医を訪ねてください。

排尿のトラブルに関する一般的な検査では、排尿の症状や過去の病歴などを詳しく問診。そして、検尿により感染やがんの有無などを調べます。また、尿の残量や膀胱などの様子を超音波診断します。

さらに詳しい検査として、膀胱内圧検査やX線検査(チェーン膀胱撮影)、1時間パッドテストなどがあります。「腹圧性尿失禁」のセルフケアとして「骨盤底筋体操」を紹介します。

下のイラストを参考に、寝ながらでも、イスに座ったままでも、家の中や外出先でも意識していればどこでもできます。体操のポイントをおさえ、数カ月続けてみてください。毎日継続することで効果が上がります。尿もれ改善に向けて今日からあなたも始めてみてください。

骨盤底筋体操のポイント